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わずか42文字のビットマップ
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わずか42文字のビットマップ
カテゴリ Sim City     前回更新: _JulEWed11279080240JulWedAMISTEthISTR135    

『Sim City』はライヴDVDも出ているし、パンフレット(カード集)なんかも作られているので、ここは四方山話でお茶を濁させていただく。

写真はアルバムのリリース時にCD購入のノヴェルティとして配布されたポスターである。
めったに自画自賛なぞしないデザイナーのイナガキさんが「あれ、カッコいいでしょ」と言うくらいカッコいい。
CDジャケットに使われた Miss N の全身像をシルエットだけにして、黒、白、特色の金のほぼ3色で構成されている。
掲載写真はフレイムに入れてあるのでわかりにくいが、ポスター全体は金の枠で囲んである。
タイでこういうデザインが主流なわけではないけどタイっぽい。

金で縁取りした白抜きのアルバム名は一見、タイ文字(シャム文字)っぽいが、アルファベットをタイ文字風にアレンジしたもの。
その下のアーティスト名も同様で、Susumu Hirasawa をタイ文字っぽくアレンジしている。
人物に重ねている文章は本当のタイ文字で、アルバム1曲目の「Recall」とタイトル・ソング「Sim City」のタイ語部分である。
CDの歌詞カードにも同様のタイ語が掲載されているが、実はこれが大変だったらしい。

アルバムがリリースされた1995年はまだ写植からDTPへの移行期だったが、イナガキさんは90年代初期からコンピュータでデザインしており、アルバム『Sim City』関連の印刷物もすべてフルデータで作成されている。
しかし、当時はいまのようにフォントが豊富ではなく、ましてやタイ語のフォントなんて日本で普通には流通していなかった。
そこでタイ文字の画像データを加工してフォント替わりにし、タイ文字なんてまったく知らないというのに、タイ語で書かれた原稿を見ながら、まるで活字を拾うように1文字ずつ組んでいったそうである。
ジョバンニもかくやという逸話が涙を誘う。
そこだけ写植で組んだらよかったじゃないかというツッコミを入れてはいけない。

さて、そのような努力とアイディアからできあがったポスターであるが「レコード会社の大人のひとたち」には「なんのポスターなのかわからない」と非常に不評で、実際に宣伝用に使われたポスターでは、ここに掲載したヴァージョンでは下のほうに小さく書かれている「平沢進 5th Solo Album Sim City」といったあたりのコピーを上部にでかでかとレイアウトしたヴァージョンに変更されたそうである。

fas



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