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わずか3分岐点のインタラ

わずか3分岐点のインタラ
カテゴリ AURORA     前回更新: _JulEMon11278311280JulMonAMISTEthISTR117    

1994/03/21 渋谷公会堂
AURORA TOUR 1994 INTERACTIVE LIVE オーロラ伝説
ゲスト:戸川純

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●演奏曲目
01: フローズン・ビーチ'94
02: テクノの娘
03: 風の分身
HOT POINT (デストロイ・ギターでやっつける)
04: スノーブラインド
MC
05: 広場で
06: 力の唄
07: LOVE SONG
HOT POINT (マザー・オブ・ナバホからのヒント)
08: 山頂晴れて
MC
09: カウボーイとインディアン
10: ロケット
11: 舵をとれ
12: ヴァーチュアル・ラビット
13: 嵐の海
HOT POINT (チューブラ・ヘルツでたたかう)
14: 石の庭
15: トビラ島
EN
MC
16: オーロラ
17: ハルディン・ホテル
18: カウボーイとインディアン
BGM: 呼んでるベル

作詞・作曲: 平沢進
撮影: 生井秀樹
 

『ヴァーチュアル・ラビット』から3年、解凍P-MODELの活動をはさんで4thアルバム『AURORA』は発表された。
初期3部作(勝手に名付けて申し訳ない)からタイ3部作(正確に言えばタイ・レコーディング3部作だけど)への橋渡し的な作品である。
宮澤賢治の作品世界にも通じる自然の摂理や精神世界を題材にした曲が多く、淡泊なサウンドも含めて全アルバムでも同傾向の作品は見あたらない。
また、単体のシーケンサに替わり初めて音楽制作にAmigaコンピュータが導入されたアルバムであり、以後10年以上にわたって平沢サウンドはAmiga内で生成されることになる。
ちなみに『ヴァーチュアル・ラビット』から『AURORA』の狭間に発表されたサウンド・トラック『デトネイター・オーガン』シリーズの壮大なオーケストレイションは、わずかか16トラックのヤマハのシーケンサで作られたというから驚きだ。

ライヴではインタラクティヴ・ライヴがスタート。
1992年の完全ソロ・ライヴ“Hi-Res”の成功を受け、サウンドだけではなく、映像の制御も、観客の反応のフィードバックも、なにからなにまですべて「真にパーソナルなマルチメディア・コンピュータ」Amigaでコントロールしようとした無謀な試み。
この「世界一質(たち)の悪い冗談」は大方の予想を裏切って成功してしまい、現在まで続いている。 

●物語●時を超えて世界の運行を司っていたオーロラ姫は、ネットワークを縦横無尽に徘徊するバイナリー・デカルトによって捕らえられた。オーロラ姫が情報宇宙の彼方に連れ去られたその日から、生命は輝きを失い、世界は物質の廃虚と化した。情報宇宙に浮かぶいくつものトビラを抜け、無事オーロラ姫を見付け出さなくてはならない。そんな時、情報武者ヒラサワが力を発揮するだろう。
▼英雄によるドラゴン退治と姫奪還という典型的な神話的モティーフ(ユング的世界)を物語の中心に据えた第1回。文字情報によるガイダンス、音声センサによる客席の反応のステージへのフィードバック、紗幕への映像の投影と現実感の半遮断、TV電話による戸川純のネット参加、トビラの選択、バルーン・トリガーによるオーディエンスの描画(大阪・名古屋のみ)といった、現在の手法の原型はすでに出揃っている。無謀と言われた企画だったが、結果はおおむね成功。もっと難解なものを想像していたオーディエンスにとって、参加方法は肩透かしを食うほど簡単だった。要は「文字情報に従って反応する」ただそれだけなのだ。双方向システムは難解さではなく明快さを求めてのものなのだから、当然とも言える。しかし、この回は全会場とも「バイナリー・デカルトがシステムの電源を落とした」時点で本来はゲーム・オーヴァーになってるはずだった。ただ、それだと第1回にしては不親切極まりない。ヒラサワを呼んで続行するという形となった。

(書籍『音楽産業廃棄物』より)

改めて当時の録音を聞き返すと、思いのほかMCが多く、悪ふざけがたくさんで、笑いに包まれている。
音だけではわからないが、最初の分岐では「デストロイ・ギターでやっつける→平沢の負け」となり、客電が灯いていったんは終演のアナウンスが流れた。
3番目の分岐では「チューブラ・ヘルツでたたかう→バイナリーびくともしない」という文字情報が巨大スクリーンに映し出され、まるでダメなヒラサワに会場は爆笑したのである。
ライヴ“点呼する惑星”は、その意味では原点回帰だったのかもしれない。

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